設計事務所に依頼すると費用が高くなる?費用相場や注意点などを解説2024.06.04
Contents
- 設計事務所に依頼したいけれど費用が高くなりそうで不安
- ハウスメーカーと設計事務所では何が違うの?
- 設計事務所へ依頼した知り合いがいないため何に注意したらよいか知りたい
新築住宅を建てる際、自分の理想を形にして使い勝手のよい間取りにしたいと、夢が膨らむものです。
理想を実現するために設計事務所に依頼したいけれど、費用が高くなりそうと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、設計事務所に依頼する場合の費用相場や内訳、ハウスメーカーとの特徴の違いや注意点などを合わせてご紹介します。
この記事でわかること
- 設計事務所に依頼する場合の費用相場や内訳
- 設計事務所とハウスメーカーの特徴の違い
- 設計事務所に依頼する際の注意点
設計事務所へ依頼する場合の費用の内訳
設計事務所へ依頼すると、スタイリッシュな外観や、こだわりが詰まった間取りなど、理想の住宅を実現できます。
しかし、その分費用が高くなりそうと不安な方も多いでしょう。
まずは、設計事務所に依頼する場合の、費用の内訳から見ていきましょう。
設計料
設計料とは、依頼主のニーズや条件を整理し、地域ごとの法令上の制約を確認し設計図を作成する際の、業務などにかかる費用です。
建設工事にかかる工事費用とは異なり、おもに以下のように分けられます。
- 技術料等経費
- 特別経費
- 間接経費
- 直接経費
- 直接人件費
技術料等経費とは、設計業務における技術力やアイデアの対価として支払われる費用です。
特別経費とは、建設地が遠方の場合の出張費や調査費など、依頼に基づいて発生した経費です。
間接経費には、設計事務所を運営するために必要なテナント賃料や電気代、ガス代などが含まれています。
直接経費は設計図を作成するための印刷代、製本代や交通費などです。
設計業務に従事した人の人件費に、設計に携わった日数をかけた合計額が、直接人件費です。
なお、ミーティングが頻繁におこなわれたり、設計図の大幅な修正が繰り返されたりする場合には、追加料金が発生するケースもあります。
監理料
監理料とは、建設工事を円滑に進めるために発生する費用です。
正確には「工事監理料」と呼ばれています。
施工会社から提出された工事の見積り書を、抜けや漏れがないか、余分に金額が請求されていないかなどをチェックします。
また、工事金額などの条件から、信頼できる施工会社を選ぶのも設計事務所の役割です。
設計図どおりに工事が進んでいるかをチェックし、定期的に依頼主に報告するのも業務範囲です。
依頼主の代理人として、工程の進捗毎に現場を確認し、間違いや欠陥があれば施工会社に指摘し、細かい部分の打ち合わせを実施します。
以上の業務が、監理料に含まれています。
ただし、補助金の申請、長期優良住宅やフラット35などの申請、住宅性能評価制度の申請や
都市計画法や消防法の許認可手続きなどは設計料や監理料に含まれておりません。
設計事務所によって異なりますが、依頼する際には追加料金が発生する可能性があるため、ご留意ください。
設計事務所とハウスメーカーの設計費用の相場
実際に依頼した場合、設計料がどのくらい発生するのか、気になるところです。
設計事務所に依頼する場合と、ハウスメーカーに依頼する場合の費用相場を、別々に見ていきましょう。
設計事務所の費用相場
設計料の算出方法は、国土交通省告示第98号に規定されています。
しかし、この方法で設計料を算出すると、ハウスメーカーなどと比較された場合に、とても高額な設計料となります。
そのため、業務に要する日数を少なく見積もったり、設計料の算出方法を独自に定めたりしている設計事務所が多いです。
一般的な住宅を建てる際の設計料の費用相場は、工事費の10〜20%程度です。
3,000万円の住宅を建築した場合は、設計料は300万〜600万円程度が相場になります。
工事費を基準にして計算すれば、設計料がどのくらい発生するのかを明確にできるでしょう。
坪単価を使用して、設計料を算出する方法を採用している設計事務所もあります。
一般的な費用相場は、坪あたり8万〜18万円程度です。
30坪の住宅を建築した場合、設計料は240万〜540万円程度が相場になります。
坪単価で算出した場合も、一般的な相場とそれほど変わらないケースが多いですが、工事費が上下しても設計料は一定です。
ただし、狭小住宅などの場合、工事費や延べ床面積が小さくなっても、設計の業務量や難易度は変わらないため、最低金額を設定している設計事務所もあります。
ハウスメーカーの費用相場
ハウスメーカーに設計を依頼した場合、設計料の相場は工事費用の2〜5%程度です。
3,000万円の住宅を建築した場合、60万〜150万円程度が設計料の費用相場になります。
注文に応じて設計するのではなく、土地の形状や建物の大きさに対して事前に設計パターンを用意しているハウスメーカーが多いため、設計料の削減が可能です。
また、設計料を建設工事費用に含めて、無料としているハウスメーカーもあります。
ただし、規格化された設計を変更したり、カスタマイズやオプションを追加したりすると、設計料が新たに発生するケースもあります。
さらに、傾斜地や変形地など、施工条件が厳しくハウスメーカーの規格での対応が困難な場合、通常の設計料よりも高くなる可能性があるでしょう。
トラブルにならないよう、設計料のルールなど、事前の確認が必要です。
設計事務所とハウスメーカーの特徴の違いとは
設計事務所とハウスメーカーでは、設計料の費用相場が違いますが、特徴も違います。
どのような違いがあるのか、見ていきましょう。
設計事務所
設計事務所では、規格化されたハウスメーカーとは異なり、独自性の高い唯一無二の設計プランの実現が可能です。
こだわりやデザイン性など、さまざまな希望を取り入れて設計をおこなうため、個性豊かなオーダーメイド住宅を実現できます。
予算が決まっている場合でも、その予算をもとに逆算し、範囲内でプランを考えてくれます。
建物予算が4,000万円以内でこだわりを実現したいと伝えれば、プロの視点で、予算内で提案をおこなってくれるでしょう。
また、設計事務所が監理者となるため、工務店が設計図どおりに家を建てているか、手抜き工事がおこなわれていないかなどを、チェックしてくれます。
指定された材料が使用されていなかったり、異なる施工がおこなわれていたりする場合は、施工者に是正を指示し、是正作業を確認後、依頼主に報告します。
ハウスメーカー
仕様が統一されていて建物のイメージが一貫しており、商品の供給や品質も安定しています。
設計期間も短く、仕上げ材や住宅設備機器も、ハウスメーカーが提示した選択肢から選びます。
規格化された商品やブランドからプランを選択でき、工期も短いため、早く住宅を建てたい方に向いているでしょう。
どの工務店や職人が請け負っても、品質を確保できるように規格化されており、ハウスメーカーが完成後の保証やアフターメンテナンスも実施します。
また、ハウスメーカーで建てる場合は、設計と施工を同じ会社でおこなうため、見積りの精査や施工業者の選定など、監理に関連するコストを削減可能です。
しかし、第三者的な立場の人員がいないハウスメーカーも多いです。
図面どおりに正しく施工されているか、施工ミスや手抜き工事がないかなどを、中立の視点で指摘してくれる人員が不在の場合、依頼主自らがチェックしなければなりません。
設計事務所へ依頼する際の注意点
設計事務所へ依頼する際に、注意しておきたいポイントがあります。
実際に依頼する前に、確認しておきましょう。
事前に契約内容を確認する
住宅の建築には多額の費用が必要になるため、事前に契約内容を確認しておかないと、トラブルに発展する可能性もあります。
住宅の建築に関わる費用やキャンセルに関する規定など、さまざまな場面を想定して、契約内容を事前に確認しておきましょう。
さらに、プランを確認する際には、要望が適切に反映されているかも注意したいポイントです。
法規の遵守が確認されているか、周囲の環境が考慮されているかなども、合わせて確認しておきましょう。
予算に余裕を持たせる
設計事務所が作成した見積り書の内容を確認する際、追加費用が必要になる場合や、予算が適切か、などに注意しましょう。
また、設計業務が完了して実際に工事が始まると、予想以上に工事に時間や手間がかかり、見積りを上回る工事費用が発生する可能性もあります。
余裕を持った予算を確保しておくと安心です。
理想を追求すれば費用が高くなる
設計事務所へ依頼すれば、ゼロから創り上げる自由設計で、厳しい条件の難しい土地でも、柔軟な提案により、敷地のポテンシャルを活かした住宅を実現できます。
キッチンや浴室などの設備、外壁やタイル、フローリングや壁紙などの仕上げ材も自由に選べますが、価格もさまざまです。
理想が形になり要望が膨らむと、建築費用も高くなります。
途中で、仕上げ材やデザインの変更、プランの見直しなどで調整をおこない、図面が完成した際に、最初の予算と大幅なズレが生じないようにしておきましょう。
依頼する前に建築士の人柄を確認する
建築士は、経験や性格によりさまざまなタイプが存在します。
依頼主の考えを汲み取り、積極的に提案をしてくれる建築士もいれば、自分の考えを強調する建築士もいるでしょう。
建築士とのコミュニケーションがとれなければ、打ち合わせがスムーズに進まないだけでなく、自分の考えや希望も伝えられません。
意見を聞いてもらえなかった場合、家づくりの方向性が大きく変わってしまう可能性があります。
依頼主の希望や考えを尊重しつつ、専門家の立場から丁寧にアドバイスしてくれる設計士を選びたいものです。
設計士との相性は家づくりに大きく影響するため、一丸となって家づくりに取り組めるかどうか、依頼する前に人柄を確認しておきましょう。
まとめ
設計事務所へ依頼すれば、ゼロから創り上げる自由設計で、厳しい条件の難しい土地でも柔軟な提案により、敷地のポテンシャルを活かした住宅を実現できます。
一般的な住宅を建てる際の設計料の費用相場は、工事費の10〜20%程度で、3,000万円の住宅を建築した場合、設計料は300万〜600万円程度になります。